皆さんは、あの赤く錆びてついる物を見ると何でもみんな「鉄」で出来ているとお思いでしょうが、世の中に「鉄」100%は有り得ず、それらの殆どは「鋼(はがね)」で出来ているものなのです。
鉄は鉄と云う一つの元素(元素記号: Fe)なのです。しかし、我が国の様に優れた製鉄技術を持っている国でさえ、100%の純鉄は出来ないものなので、純鉄を見ることは出来ません。 それでは、鋼とはどの様な物かと云いますと…………鋼とは、鉄とその他に五つの元素から構成された金属なのです。その五元素とその性格は下記の通りです。
NO | 元素名 | 化学記号 | 主な性格 |
1 | 炭素 | C | 多量に含有すると固い鋼(刀、バネ、レ-ル)少ないと柔らかい鋼(針金、番線)になります。 |
2 | ケイ素 | Si | 鋼の靭性(ねばり)が増す、脱酸作用を行う。 |
3 | マンガン | Mn | 鋼の靭性(ねばり)が増す、脱酸作用を行う。 |
4 | リン | P | 不純物で完全除去が困難なもの、溶接すると割れる事がある。 |
5 | 硫黄 | S | 不純物で完全除去が困難なもの、溶接すると割れる事がある。 |
【特記】
鉄とは鉄だけですが、鋼には鉄以外に五つの元素をその鋼の使用目的によって、多く含ませたり、少なく含ませたりして作り、その特性を生かした鋼として利用しているものなのです。JIS規格では、主にこれら五つの元素含有量を規制して、目的に合った鋼を作らせているのです。
鉄と鋼の違いの一端をご理解頂けたでしょうか?