鋼と創造

熟練工の技
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組立の名工
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こだわりの技術開発
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鋼を科学していくと
第1回
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鋼と創造 BHの製作は、鋼そのものを知ることから始まる。
鋼と語り、鋼と折り合いをつけ、人の力を鋼の力に替えていく。
その品質を支えるのは、最新の設備と人の技である。

桂スチール技能工シリーズ 熟練工の技
坂本 翔太 写真
「仕上げの名工」
坂本 翔太 Sakamoto Syota
取得資格: 鉄骨製作管理技術者2級、玉掛け、クレーン運転士、ガス溶接、
アーク溶接、半自動溶接、職長教育
クレームなしで出荷するための最終工程

BH鋼の仕上げは、後のない最終工程ですから「お客様からクレームがこないようにすること」、これが大命題です。仕上げというのは、グラインダーで削ったり、溶接で補修したりと、いくつもの作業をこなしますから、チームでやらざるを得ません。しかも、いかに正確に早く作業するかが一番求められてもいます。
ここの技能工は、何でも出来る昔の鍛冶屋に近い存在でしょう。ここではすべてについて、ひと通りやれることが条件になります。だから私のような10年、15年といった熟練工がここの工程を任されることが多いのです。



溶接の不都合を解消し要望にも応える熟練技

建築鉄骨のスタンダードな仕上げ方はあるのですが、これにプラスしてBHならではの仕上げがあります。溶接の不具合には、ピット、オーバーラップ、アンダーカットなど20種類以上あって、まずはそれに対応しなければなりません。
一方、超高層建築などでは鉄骨軽量化の為、必要な部分の板厚を厚くして、軽くても必要な強度をもった特殊なBHを使用することがあります。鉄骨では溶接する鋼鈑の厚みによって、溶接の大きさ(余盛り)が決められています。途中で板厚が変わるBHでは、異なる大きさの余盛りを滑らかにつなぐために、溶接、ガウジング、グラインダなど、豊富な経験と技量が必要です。



溶接のオールラウンドとして厳しく教える

前工程の不都合を全部引き受けて直すわけですから、仕上げ工程では技量の他に忍耐力も必要です。チーム全員が、ここで優れた技能工になってほしい。それが私の一番の望みであり、また課題でもあります。
もちろん、しっかり技術を覚えてもらうには、叱って厳しく教えます。耐えられなかった新人もいますが、仕上げ工程が務まれば、何でもできるようになります。その気持ちで取り組んでいれば、必ず上達すると思いますよ。
未経験者は、ある程度までは育てられますが、それから先が難しい。努力家でカンのいい人は上達が早いですが、そんな人はほとんどいませんからね。



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