従来のアナログ型自動溶接装置は、溶接条件(電流、電圧、速度など)を熟練工がマニュアルを見ながら経験により設定していました。2008年夏に3台導入したデジタル制御の新型自動溶接装置は、デジタル式のタッチパネル操作盤を採用し、社内で定めた標準条件をプリセットできます。これにより経験の浅い技能工でも、加工品のサイズを入力し、フルペネ溶接や高速溶接をワンタッチ切り替えで設定するだけで、機械に任せて溶接の品質を確保する品質保証態勢が確立されました。
新型自動溶接装置には特殊センサーが搭載され、これにより溶接歪や異型材料の溶接対応範囲がX軸600mm、Y軸800mmと広くなりました。また装置全体の幅が4.5メートルとスマートでありながら、デプスは余裕の1.5メートル。片側が開放された片門構造であるため、懐が広く、大型断面BHが同時に2本溶接できます。
片門構造の特長を十二分に活かした新型自動溶接装置は、作業性や安全性を著しく向上させています。門支柱のない基準側のレールとケーブルを天井近くの柱に取り付け、従順側レールも床面に直に敷設。ケーブルカートが邪魔になったり、高いレール架台を跨いだりがなくなり、作業場が広く使えて、オペレーターの安全性も高まりました。