月間2,500か所を超える板継(完全溶込溶接)を実現
板継工程の専門工程かを進めました。例えば、奥行75mの工場の長手一杯に配置した板継用鋼製溶接定盤、可搬式溶接ロボット19台保有、AW検定ロボット溶接オペレーターは6人在籍(2021年1月時点)。
部材仕分け、定盤上の配置、事前計測、反転、専用機による裏ハツリ(機械切削)など、溶接以外の業務をロボット溶接オペレーター以外に任せることと、本溶接を溶接ロボットに割り当てることによって、ロボット溶接オペレーターは、品質の確保に専念できる体制を整えました。
現在では、月間2,500か所を超える板継溶接を行えます。
H形鋼の突合せ溶接と板継(平板突合せ溶接)の大きな相違点として、表溶接も、裏溶接も干渉する部材が無い点が挙げられます。当社では裏ハツリ工程を機械で切削加工できるように、専用設備(メカニカルガウジング)を導入しています。加工幅1,000mmに対応しており、フランジのみならず、ウェブの裏ハツリにも使用しています。
裏ハツリを切削加工で行うことで、溶接部の熱履歴・総入熱を減らすことと、裏面溶接における開先形状の安定化による裏面溶接もロボット溶接することができます。
設計者様、監理者様の承認を頂いた場合、サブマージアーク溶接(SAW)によって板継溶接を行わせていただいています。
一定の板厚までの両面完全溶込溶接は、組立て溶接や表面の開先底周辺や開先ルート面の未溶着部分を裏面本溶接にて完全に溶融することで、裏ハツリ工程を経ずに健全な溶接部を実現しています。
板継する板厚が厚い場合、ガスシールドアーク溶接では、多くのパス数が必要ですが、SAWではガスシールドアーク溶接より少ないパス数で溶接施工できます。
板継には2つの方法があります。
(1)個別に板継
板継前に、溶接形鋼組立て時に必要な幅に溶断してから、板継します。
(2)原板継
複数の部材をまとめて1溶接線で板継溶接(SAW)後に、溶接形鋼組立て時に必要な幅に溶断。
当社では、板継箇所数が多い時期などに(2)の方式を提案することで、製造工程の分散を行い、さらなる製造能力の拡大と、お客様のご要望納期の実現を追及しています。
上記(2)の原板継では、板継が完了した板をフレームプレーナーにて、組立て時に必要な幅に溶断します。
板の両縁は除去され部材としては使用されません。
(2)の原板継にて板継されたBHは板継に使用したスチールタブが除去され、0mm仕上げになります。
※(1)の個別に板継する方式では、5mm程仕上げや、0mm仕上げなど、お客様ご指定の残し量でスチールタブを除去します。
2020年10月1日に高規格材(550N)適合工場(認定機関:一般社団法人 全国鐵構工業協会)を取得しました。(確認書番号:JSFA-012、確認範囲:T1)
お客様が安心して当社に板継BHを発注いただけるよう、ハード・ソフト面での改善を行っていきます。